2009年08月03日

8月度 拝読御書

窪尼御前御返事

【本文】
 大風の草をなびかしいかづちの人ををどろかすやうに候、よの中にいかにいままで御しんようの候いけるふしぎ(不思議)さよ、ねふかければはかれずいづみに玉あれば水たえずと申すやうに御信心のねのふかくいさぎよき玉の心のうちにわたらせ給うか、たうとしたうとし
(御書P1479)

【通解】
 大風が草をなびかせ、雷が人を驚かすような、激しく揺れ動く世の中にあって、あなたが今まで、この信仰を続けられてきたことは、なんと不思議なことでしょうか。
 根が深ければ葉は枯れず、泉に玉があれば水が絶えないと言われるように、あなたのご信心の根は深く、あなたの心の清らかな玉があるのでしょうか。尊いことです。尊いことです。

【背景と大意】
 本抄は、日蓮大聖人が、建治年間後半から弘安年間前半のころ、身延で認められ、駿河国(静岡県中央部)富士郡に住む女性門下の窪尼御前に送られたお手紙です。
 窪尼は、西山の河合入道の娘で、日興上人の叔母に当たり、日興上人の指導のもと、高橋六郎兵衛の夫人として、夫とともに純粋な信心に励みました。
 最近の研究によれば、夫の闘病中に尼となて妙心尼と名乗り、夫の死後、大聖人から持妙尼の名を頂き、さらに、一人娘を連れて実家のあった西山の窪に戻ってからは、窪尼とも呼ばれるようになりました。したがって、妙心尼・持妙尼・窪尼と呼ばれる女性門下は、すべて同一人物ということになります。
 窪尼の住んでいた富士郡一帯には、北条本家の領地が多く、大聖人門下に対する強い圧迫がありましたが、日興上人を中心にした異体同心の団結によって、弘教が目覚しく伸展します。これに危機感を感じた幕府権力は、弘安2年(1279年)に熱原法難を引き起こします。
 本抄は、こうした騒然たる世情の中で、夫の死後も健気に信心に励む窪尼に対する激励であり、「根が深ければ葉が枯れず、泉に玉があれば水が絶えないように、あなたの信心の根が深く、心中にすっきりとした玉があるのでしょう」と心から惨憺されています。
 


信心がある限り負けない!

 人生の途上には、さまざまな苦闘の時期があります。激しい風に吹きまくられるような時もあれば、恐ろしい雷に立ち尽くすような時もあるでしょう。実は、そうした時こそ、自身の信心が本物かどうかが試されているのです。
 本抄で大聖人は、「大風が草をなびかし、雷が人を驚かすような世の中」と仰せです。当時は、2度の蒙古襲来の間の時期であり、疫病や飢饉が相次いで起こり、世間の人々の不安に付け込むように、邪宗教が猛威を振るっていました。特に窪尼が住んでいた地方は、北条本家の領地が多かったため、権力者と宗教者が結託し、大聖人門下に対する弾圧の機会を虎視眈々と狙っていました。窪尼は、そうした中で、何度も御供養をして大聖人をお支えしながら、純粋な信心を貫いていたのです。
 大聖人は、この窪尼について、「根が深ければ葉は枯れない、泉に玉があれば水が絶えない」という故事を引かれ、信心の根が深く、世間的な未練や執着のない、すっきりとした覚悟の玉が心の内にあるのでしょうと讃えられています。
 根や玉のように、私たちの信心も表面からは見えないかもしれません。しかし、生命の大地に深く根ざした確固たる信心があれば、どんな苦難も勝ち越えて、現実の生活に幸福の葉を茂らせ、社会を慈悲の水で潤していくことができます。
 ただ、そうした信心を持つには、苦難に真正面から立ち向かい、必死になって唱題に励み、広布に力を尽くしていく以外にありません。その結果として、信心の根も、深く強く張られていくのです。
 池田名誉会長は語っています。「信心の根を、強く、深く張っておくことだ。根さえ張っておけば、たとえ風雪の時があったとしても、太陽の光の輝き、水分が与えられれば、必ずしだいしだいに大樹へと育っていく。信心と人生の歩みもまた同じである。どうか皆さま方は、この厳しき現実社会の中で、“真実の仏教”の証明者として、幸福の大光を朗らかに広げゆく勇者であっていただきたい」
 一生の信心の根を築く時は今と決め、勇敢に苦難に挑んでいきましょう。
posted by 元 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 座談会御書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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