2009年04月28日

5月度 拝読御書


四条金吾殿御返事

【本文】
 一生はゆめの上・明日をごせず・いかなる乞食には・なるとも法華経にきずをつけ給うべからず、されば同くは・なげきたるけしきなくて此の状に・かきたるが・ごとく・すこしも・へつらはず振舞仰せあるべし、中中へつらふならば・あしかりなん 
(御書P1163・15行目〜P1164・1行目)



【通解】
 一生は夢の上の出来事のようであり、明日のこともわからない。どのような辛い境遇にはなっても、法華経に傷をつけてはならない。
 それゆえに、同じ一生を生きるのであれば、嘆いた様子を見せないで、私がこの陳状に書いたように少しもへつらわず振る舞い、語っていきなさい。なまじへつらうならば、かえって悪くなるであろう。


【背景と大意】
 本抄は、建治3年(1277年)7月、日蓮大聖人が56歳の時、鎌倉の門下の中心的な存在であった四条金吾に送られたお手紙です。大聖人は、金吾を陥れる良観一派の陰謀を白日の下にさらす陳情(反論の書状)「頼基陳状」を、金吾に成り代わって認められ、本抄とともに託されました。
 大聖人は、この時すでに、竜の口の法難、佐渡流罪という大法難を勝ち越えられ、身延に入山されていました。それまで師匠一人に向けられていた迫害の刃は、弟子たちに向かいました。その迫害との闘争を敢然と担い立ったのが、金吾でした。
 金吾は、主君の江間氏から厚い信頼を受けていましたが、主君を折伏すると、次第に遠ざけられるようになります。そして建治3年6月、大聖人の門下三位房が、良観の庇護を受けていた竜象房に法論を挑んで打ち砕くと、逆恨みした良観一派は、“金吾が武装して法座に乱入した”というデマを捏造し、江間氏に吹き込みました。
 江間氏は、法華経の信仰を捨てる誓約書を書くよう金吾に教要しました。すぐさま金吾は、信仰を貫く決意を誓状に認めて、大聖人に送りました。
 その誓状を受けて認められた本抄で大聖人は、御自身はどんな大難にも耐えられるが、妻子ある在家の門下が耐えられるとは思っていなかったところ、今、金吾が脅迫に屈せず信仰を捨てないと誓いを立てた、それは金吾の身に上行菩薩が入ったからであろうかと最大に賞賛されます。
 そして今後、どのような苦難に陥っても、法華経の信仰に傷をつけてはならないと更なる決意を促され、大聖人が記された陳状を出せば大きな騒ぎとなろう、重大事では大騒動が大きな幸いとなるものであるから、くれぐれも、へつらうような様子があってはならないと励まされます。
 さらに、敵の攻撃を受けぬよう用心に用心を重ね、身辺に注意を払うよう教えられています。


堂々と!師匠のごとく

 自分の人生を何に捧げるのか。財産のためか。地位や名声のためか。そうした人生の幸福は、時が経てば、すべて消え去ってしまいます。まして、万人が避けられない、死という厳しき現実の前には、はかない夢幻のようなものです。
 しかし、妙法を信じ抜き、師弟に生き抜き、広布に戦い抜く幸福は、生死を超えて永遠に崩れることはありません。たとえ一時は、負けたような姿をとっても、その人が永遠の勝利者と輝いていけるのです。だからこそ、信心に傷をつけては絶対にならないのです。
 日蓮大聖人は、法難と戦う四条金吾に対して、「どのような苦難に陥っても、たとえ財産や地位や名声をすべて失っても、決して法華経に傷をつけてはならない」と、厳しい覚悟を促されています。
 さらに続けて「同じ一生ならば、嘆いた様子を見せずに、少しもへつらわず振る舞い、堂々と語っていきなさい。なまじへつらうならば、かえって悪くなるであろう」と教えられます。
 嘆き悲しんで卑屈に生きても、へつらわず毅然と胸を張って生きても、同じ一生です。どうせならば、「どんな苦難も来るなら来い。必ず乗り越えてみせる」と信心の腹を決めることです。大聖人は、大難を勝ち越える自らの生き方をもって、弟子たちに「日蓮のごとく」難と戦うのだと励まされたのです。
 「師匠のごとく」 − 勝利の急所は、この一点にあります。金吾は、師匠の言われるままに戦い、見事にこの苦境をはねのけていきました。
 池田名誉会長は語っています。「目先の出来事に一喜一憂する必要はない。永遠に続く嵐はないように、永遠に続く苦難はない。大事なことは、どこまでも御本尊を信じ、強い信・行・学を貫いていくことである。信心さえあれば、どのような苦難も、宿命転換の機会としていける。福徳と幸福の人生の宮殿を、さらに磐石に築くことができる。一家、一族の繁栄の大道を開くことができるのである」
 さあ、堂々と、確信を込めて正義を語りきっていきましょう。



大百蓮華 2009-5 No712
posted by 元 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 座談会御書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/118197902
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 宗教へスカウター : 人間主義の旗を!
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。