2008年12月21日

権力のまなざし ― 深層の欲望

 さて、自分が歩かなくても誰かが連れていってくれるという立場にある人、自分が手を下さなくても誰かが代わりにやってくれるという立場にある人を、「権力者」と言います。
 「権力」とは政治家や官僚だけに存在するものでありません。自分の立場を特権的に守ろうとする時に、どこにでも、だれにでも出現するものなのです。それは「今のままでいい」「違う立場になりたくない」「異なる立場にあるもののことなど知りたくない」「異なる立場と比べて、自分の立場が優位にあると思いたい」と望む「深層の欲望です」。
認識において「断定」「決めつけ」「単純化」、行動においては「優柔不断」「自分は手を下さない」「他者への命令」、そして「他者への冷たいまなざし」が、「権力」の特徴です。
 例えば、日本では「宗教なんて弱い人間がするものさ」と嘯く連中がいます。では、その連中が果たして「強い人間」なのでしょうか。私は決してそうは思いません。まさしく、そう嘯く連中がふるおうとしているのが、「権力」なのです。
 例えば、ここに電車で誰かに絡まれている人がいるとします。誰も助けようとはしません。ここでみてみぬふりをしている「傍観者」たちを「強い」といえるでしょうか。
 フーコーならば、ここでは「権力」がふるわれていると言うでしょう。「権力のまなざし」「まなざしの暴力です」。そういう場合、人は自分たちの無力さを内心では分かっているのです。故に自分を安全地帯において、そのままで位置関係を固定しようとします。つまり前の電車の例では、傍観者たちは「絡まれている人」の側には、決して身を置こうとはしません。
 十把ひとからげに「宗教など弱い人間がするもの」と決めつけてしまう人たちのまなざしには、この無力な傍観者と同じものを感じてなりません。精神の怠慢、惰性の精神こそ、権力の本質です。
 宗教にも、様々な形態があるはずです。宗教者にも様々な人がいるはずです。それを皆等しく「弱い」「変わり者」と決め付ける ― そこにも同様な「まなざしの暴力」がふるわれているのです。
 毎日祈りの時を持つ人を「異質」「変わっている」と決め付けながら、初詣や宮参りなどの典礼・儀式を平然と行う人の方が、よほど、“変わっている”ような気がします。

ブッダは歩む ブッダは語る より引用 


 「権力」についてそこまで考えていなかった。自身にも当てはまるケースもかなりあります。入信前は、まさに「宗教など弱い人間がするもの」と決めつけてしまう人でした(笑)
 それが、「権力者」であり「暴力」であったとは本当に考えもしなかった。弱い自分であり無知な衆生その者であった。でもね、気付かないいんですね、決めつけていたから。この信心でいろんなことを気付けるようになり、知ることができるようになってきています。ありがたいです。宗教でまともなものなどないとか、金儲けだとか、決め付けるのです。何も力のない神は信じるのに。真実とは当たり前を疑い冷静に判断してこそ見えてくるものではなうでしょうか。常識の罠にはまらないように賢くいきたい。
posted by 元 at 02:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 権力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
通常「他者への命令」が権力と言う認識は納得しやすいと思いますが「優柔不断」「自分は手を下さない」を『権力』とは思いませんよね。
言われて考えれば「ああ!」と思います。
同じような物の牧口先生の「悪を見て見ぬふりをする者は悪」「無関心は悪」を思い出しました。
ここでは傍観者は悪と一歩踏み込んで言い切ってます。
鋭い察知力が必要ですね。
Posted by JunkDark at 2008年12月21日 21:46
JunkDark さん仰せの通りだと思います。同感いたします。「精神の怠慢、惰性の精神こそ、権力の本質です」とあり、悪であると思います。それを見抜く訓練が必要ですね。自他ともの悪と徹底てきに戦わなければけないと考えます。権力の魔性は誰にでもある。元品の無明に通ずるのでしょう。悪を見抜く力とそれに負けない自分になりたい。
Posted by 元 at 2008年12月21日 23:13
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